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先日、ある温泉の仮眠室で寝ていた時の話。
ふと、怒っているおじさんの声がしていて、少し目が覚めた。
「そこで寝ている男が、出してるんだ!」
「出してるって、何をですか?」
「何ってその・・・・あれだよ!」
俺は少しドキッとした。そういえばチンポが涼しい。
少し下半身を見てみると、ボクブリを突き抜けズボンから亀頭が丸々はみ出していた。思わず仕舞おうと思ったが、よくよく考えると別にチンポがはみ出てるぐらいいいじゃないか、大したことない、仕方ないことじゃないか、と思い直し、俺ははみ出るままにし、店員と客らしいおじさんの会話に耳を傾けることにした。
「あれって何ですか?」
「あれって・・・・・性器だよ・・・。」
「あ・・・そうですか。」
急に声が小さくなった客に対して店員さんの低いテンションが頼もしかった。
「注意してくれよ!」
「あの、その方は、ズボン脱いでるんですか?」
「脱いでないよ!」
「え?じゃあどうして出してるんですか?」
「どうしてって、ズボンからはみ出てるんだよ。」
「そうなんですか。」
相変わらず冷静な店員の受け答えに俺は好感を持った。
薄眼で見ると、離れた受付の所で白髪のおじさんと若い店員が話し込んでいる。
「その人、起きてるんですか?」
「寝てるよ!その男を見てたら、どんどんズボンが盛り上がってきて、はみ出てきちゃったんだよ。」
「うーん、出してるならともかく、はみ出てるぐらい別にいいんじゃないですか?」
俺は、冷静に対処し、また男らしい考えの店員さんにますます好感を持った。
「良くないよ、注意しろよ!」
「あの、あなたはなんでそんなに他の方を気にされるんですか?寝てて勃起するときがあるのは分かりますよね?」
「ぼ、勃起するのは分かるが、ズボンからなんてはみ出るか!」
「その方が大きいんじゃないですか?」
「はぁ?大きいだって?・・・・そりゃ、お、大きいが・・・」
「あのー、他のお客様に迷惑ですので、少しお静かにしてください。」
「勃起」という単語ごときでどもっている熟年と言っていいおじさんに対して情けないと思うのに対して、若くとも男らしい態度と考えの店員に感心しながら、俺はエールを送り続けた。
「いいから注意しろ!」
「あのー、お客様に迷惑ですから、声のトーンを落としてください。」
「だっておかしいだろ、ズボンから出てるんだぞ?!普通出るかよ?!」
「・・・・その方が普通じゃないぐらい大きいんじゃないですかぁ?!」
「ッ・・・・」
店員の少しイラついた感じで放った言葉で客はとうとう沈黙したようだ。
チッと舌打ちのあと、どかどかと足音が遠ざかっていくのが聞こえた。
俺は体の力を抜いた。
と、その店員が仮眠室に入ってきたようだ。
「あ、すごーい。」
店員の足音が立ち止まり、小声が聞こえた。
俺は、この店員のおかげで、こうやって気持ちよく寝られることを感謝の意を表すためにも、その店員の前で堂々と大の字で寝続けた。