ある日、職場の喫煙室の前を通った。
俺は気づいた。
凄く男らしい股間をしている奴がいる。
・・・最近は、喫煙室も狭くなる一方で、喫煙室に大の男がぎゅうぎゅう詰めにされている光景をよく見かける。
俺の職場もそれは同様で、細長い部屋に男どもが時には体が触れ合うほどぎゅうぎゅう詰めでタバコを吸っていることもある。
その中で、ひときわ股間が盛り上がっている男がいた。
男らしい奴だなと、俺は思って横目で見た。
また、別の日の同じ時間に喫煙室を見ると、やはりその男がいた。
どうやらこの男も時間帯で喫煙しているらしい。細長い部屋で横一列に並びながら、みんなタバコを吸っているのだが、その男の股間だけ前に突き出ていた。
俺は、喫煙室に入った。
奥に行くのは中々至難の業だった。男たちの前を通ると、太ってるやつの腹が触れたりした。そして、奴の前に来た。
俺は、敢えてその男の方を向いてそばを通ろうとした。
何かが俺の体に触れた。
俺は敢えてそこで少し立ち止まった。
男は俺を不機嫌そうにちらりと見た。
そして、男が目線を下げると・・・
お互いのもっこりがぶつかっていたのだ。
彼の突き出しもっこりが俺の上向けもっこりにぶち当たっていた。
男は、はっとすると、腰を引いた。
「あ、す、すみません。」
なんだ、そこで謝るのか。謝る必要など一切ないのに。いつものように、堂々と腰を突き出したままで構わないのに。
男ならスーツがもっこりしていることなど当然だ。
ただ、彼の突き出しもっこりがボリュームがあり、そのせいで、そばを通った時、お互いのスーツもっこりが偶然触れてしまっただけだ。手が触れたのと何も変わらないじゃないか。
俺は男を一瞥すると、自分のもっこりに当たった彼のもっこりのボリューム感を思い出しながら、彼の前をすり抜けた。